裁量としての鞘取り。
何度も言うが、鞘取りは「裁量トレーディング」として
意味を持つ。
さて、栗山氏のこの2冊目の本だが、証券税制変更前の部分は
如何でもいいとして、「肝」に為るのは、実は銘柄選択の部分である。
A銘柄とB銘柄のみで、鞘取りを続けられるだけ続ける。
引かされたら、予め決めておいた評価損で損切りする。
基本的には此れだけだが、栗山氏は損切りをしない!!
引かされ玉をホールドしながら、A、BにC銘柄を絡めて、鞘取りの
ツナギ売買に至るまでの内容が、3部作全体を通じて、栗山氏自身の
玉帖と鞘グラフに拠る、実売買の記録が載っている。
読者の大半は、此れが超高等技術である事が、直ぐに
判るが、其の辺をエクセル其の他で如何にかしようと
思ってしまうのが「大間違い!!」なのだ。
取れそうな所を取っていくと言う「うねり取り」と同様、
何度も、銘柄選択と脇銘柄の入れ替え、場合によっては
軸銘柄も変更して「一から出直す」と言う心積もりで、
「ずっと続けて行く」。其れだけだが、簡単な事を
辛抱強く出来ない「脱落者」と言うのは、株式鞘取りでも
商品鞘取りでも、実に沢山居る。10年続けていれば
ジョージ・ソロスに為れるとは、言わないが、
要するに「やる気が無い」だけなのだ。
こう言うのを読んで「精神論が何とか」と言い始める
人間は、裁量には向いていない。システムの勉強をするか、
さもなくば、「『まぐれ』で、偶然、儲けてしまったサル」に為る事を
死ぬほど熱望・期待するか、
若しくは、相場自体を諦めるか、だ。
続編を期待
株式でも鞘取りは有効である。というか、特別の才能の無い個人投資家に勧められる手法は鞘取りしか無いと思う。しかし実際にやってみると案外難しい。広がったサヤが閉じるとは限らないのである。ここで、銘柄間の相関係数とか、回帰分析などの統計的手法の導入が必要となる。個人でもエクセルで分析できるのであるが、これについて解説した本は今のところ無いようである。この本に書かれているのは、昔ながらの手法であり、現在の相場に対応するには、さらなる手法のバージョンアップが必要である。
前著「株式サヤ取り教室」の続編です
前著と内容が重複する箇所が多少ありますが、前著からさらに一歩踏み込んだ内容となっていますので(危険の回避策、分割売買など)、前著を読まれた人は本書も併せて読まれるとより理解が深まると思います。
(本書も前著に引き続き、旧税法を基にした記述がみられます)
初めてサヤ取りを研究する人にとって有用な解説書
ネット証券の台頭により,資金が少なくても信用取引を行いやすくなり,また 取引手数料は大幅に安くなった. そのような環境を考えれば,現在はかなりサヤ取りで利をとりやすくなった環 境であると言えるが,個人投資家の中でサヤ取りの存在を知っている者は少ない. この本はサヤ取りの原理からサヤ取りに限らず株式・先物などの取引で重要と なる建玉の動かし方についても説明している. 初めてサヤ取りを研究する人にとっては有用な,数少ない株式でのサヤ取りの 解説本である.
同友館
株式サヤ取り教室―安全有利な裁定取引 株式サヤ取り講座 (同友館投資クラブ) ツナギ売買の実践 うねり取り入門―株のプロへの最短コース 株式上達セミナー―これで成功は約束された
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