TOCの理論と実践を解説した好評シリーズの第4弾。今回は、組織変革をはじめとするあらゆる問題解決の手法として、TOC思考プロセスをひも解いている。問題を個々に分析してとらえるより、包括的な関係性のなかでとらえるというのがTOCの発想であるが、これは個人の認識のしかたに深くかかわるものであり、実際の現場ではなにを制約条件とするかが人によってバラバラという事態も起こりえるだろう。 本書では、TOCの「因果律」や論理ツリーなどの一連の枠組みを、「抵抗派」も納得させる共通理解のプロセスと位置づけており、変革のマネジメントにおける有力なツールとして大いに期待できる。 具体的には、問題の各要素の表現法や因果関係の求め方、「正当性の異議理由」というツリーを検証するためのルール、「現状問題構造ツリー」をはじめとする5つのツリーなどを示して、問題解決の実行計画までを導いている。論理学特有の複雑さはあるものの、具体的な指南を交えて解説しているためわかりやすい。 本書はさらに、生活習慣病に陥ったビジネスパーソンの問題解決例をあげてツリーの作り方を実践してみせるほか、組織でTOC思考プロセスを展開する際のポイントも指南している。個人のツリーは自己啓発の意味でも示唆的で、また組織の事例では問題解決のコミュニケーションの貴重なノウハウが学べる。TOCの解説書であるが、一般の論理思考のトレーニングとしても役立つはずだ。(棚上 勉)
わかりやすい
TOC思考プロセスを手っ取り早く、知るにはこの本がお勧め。
同テーマの本は、他にもありますが、
強い関心と、読み込み、つまり理解するまでには忍耐が必要だ。
しかし、この本は、さらさらと入れる。
その分、やや表面的な点もあるが、理論を詳しく詳しく知るよりも、
ポイントをさくっと掴んで、実際に使ったほうが方が良い。
良本。
読むだけでは理解できませんよ
実は!、私は読んでもそんなに感動できませんでした。
確かに実例があまりピンと来ないものだからかもしれません...
会社の実務で、色々なしがらみが絡み合った問題をまとめられない
かどうか相談を受け、この本の事をすぐに思い出しました。
半信半疑でこの本の通りにやってみましたが、2日ほどで提出できる
レベルにまとめて清書する事ができました。
いわゆる、頭の回転が速い人はこの方法を頭の中で実現できているの
でしょう。
やり慣れた業務は、この方法を模して経験的に結果のみを体が覚えて
いるのでしょう。(これは誰でもできること)
やってみるとあっけない程に当たり前な事をしているだけなのですが
空回りしそうな議論を、記号論理学のように客観的に複数の人が確認
し合えるのは驚くべきことです。
数年前、Prologを使った機械的なコーディングを利用して似たような
事を実現できないか考えていたことがあります。
思考プロセスの方がずっと簡単で強力なことがすぐに分かりました。
TOCを実際に使うための本
ゴール2に感動した人間が次に読むべき本である。内容が実践的であり、さらに具体例が平易で分かりやすいからだ。実践的というのは、TOCの本の中では教科書というより問題集的な立ち位置だからだろう。他の本も読んではしてみたものの、まずは手法の説明が永遠と書いてあった。用語の名前やら、丸にすべきか四角を書くかなどなど。それに対して、本書は一つの例を使いまわして具体例から問題の解き方を一般化している。短時間で本質をつかむことが出来る。具体例に利用しているのは、ダイエットの仕方についてである。各フェーズについての詳細な記述は、ダイエットにここまで時間をかける意味はあるのかという気になるものの、おかげで全てのことに適用できると確信できた。この本を読めば、必ずTOCの本質をつかむことが出来るだろう。
難解な思考プロセスもこれで納得
ゴールを読みTOCの思考プロセスに興味が湧き、自身の仕事で使ってみようと考えましたが、なかなか難しく理解できませんでした。そんな時、この本と出会い、一気に読んでしまいました。ステップ毎に解説と実例で説明され、非常に分かりやすい内容です。実際に思考プロセスを行う時、常に参照しながら行うことが出来、大変役に立つ本でした。
TOCの思考法の全体感をつかみ、エッセンスをつかむことができる。
が・・。この一冊を通じて取り上げられている事例が、残念ながらピンと来なかったのである。健康診断でウォーニングが出た男性が、どのように問題解決を図るか・・という事例であったのであるが、残念ながら、このケースがピンと来なかったのである。それは多分に自分がそういう状況にはないからということとなろうか。要するに読む人間の経験の限界ゆえに、内容がストンと理解できなかったのである。落ち着いて考えるならば、筆者たちのコンサルティングファームとかに実際にコンサルティングをお願いして、各社、各部門、各様の具体的な問題について、しっかりとコーチされながら解決策を探る。そのようなことを使用とするときの、参照には良いのかもしれない。 ひっかかりのある一冊として手元に留めておきたい。
中経出版
在庫ゼロリードタイム半減TOCプロジェクト―究極のムダとりに挑んだ3社の実例 TOCスループット会計 最速で開発し最短で納めるプロジェクト・マネジメント―TOCの管理手法“クリティカル・チェーン” 会社が変われない本当の理由―TOC思考プロセス実践ストーリー ケースで学ぶ TOC思考プロセス
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